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売上のあげ方にお悩みのご担当者様へデータ分析とUSPで成功するデジタルマーケティング戦略―大手企業の現場から学ぶ効果的アプローチ―

どの企業にとっても、売上の増加は常に最優先の目標とされています。デジタルマーケティングの役割が拡大する中で、その効果的な実践方法を見つけ出すことは多くのビジネスリーダーにとっての挑戦となっています。毎日の業務に忙殺されがちな中で、肝心のデータ分析と戦略的施策の計画が後手に回るケースは少なくありません。

これまで8500万人以上のアクティブユーザーを抱える企業でデジタルマーケティングを指揮してきた私の経験と、鉄道会社や伝統的企業へのコンサルティングを通じて得た知見に基づき、売上向上を実現するための効果的なアプローチをお伝えします。
デジタルマーケティング成功の近道には、

  • 「正確なデータの分析」
  • 「明確なUSP(Unique Selling Proposition)」

そして、これらを軸に据えた戦術に、

  • 仮説検証とPDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルの継続的な実行

が重要だと自信を持って言えます。
この記事では、具体的な大企業へのご支援のケーススタディを基に成功へのアプローチをご紹介します。

この記事におすすめの人

・デジタルマーケティングの実施がうまくいっていないご担当者様
・事業・サービスの責任者様で、今後の計画・マーケティングチームの活動内容にお悩みの方

目次

デジタルマーケティング失敗の本質

多くの企業でデジタルマーケティングで成功を得られないのは、以下の3点にまとめられます。

  1. システム的なKPI設計の欠如|具体的な目標設定が行われておらず、成果の測定が難しい状況
  2. データに基づかない感覚的な戦術実行|実データに基づかない意思決定が行われる
  3. 競合との差別化ポイントを明確に言語化できていない|市場における自社のポジションが明確に打ち出されていないため、顧客の選択理由が不透明



これらの問題点は、「とりあえず何かしよう」という場当たり的なアプローチから生じることが多いです。例として、「競合がSNSマーケティングを強化しているのを見て、計画もせず急いでSNSキャンペーンを始める」などが挙げられます。これらの活動が当初は目立った効果を示すこともありますが、基盤となる戦略が不足しているため、長期的な成果へと繋がりづらいのです。

戦略基盤としてのMECEに基づくKPIツリーの設計

デジタルマーケティングにおける成功の秘訣は、MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)原則に基づくKPIの設計です。この原則に則ったKPI設計を通じて、ビジネスゴールを達成するための具体的な道筋を設定します。

KPIツリーの構築とその重要性

KPIツリーを構築することで、大目標を論理的に細分化し、各チームが取り組むべき明確な目標が設定できます。これにより、全員が同じ方向を向いて努力することが可能となり、目標達成への道筋が明確になります。

効果的なKPIツリーの構築ステップ

  1. 最終目標の設定| 売上、営業利益、顧客生涯価値(LTV)など、会社としてどこを目指すかを定義します。
  2. 中間指標の設定:|新規顧客による売上高をどの程度上げるか、既存顧客からどれだけリピート購入を引き出せるかなど、具体的なパフォーマンス指標を設定します。
  3. 実行指標の設定:|サイト訪問数、広告のクリック率、カート投入率など、直接的な行動指標を明確にします。

MECEな指標設計のポイント

良いKPI設計は、重複のない、漏れのない、各ファネル段階で計算が成り立つように組み立てられています。また、指標間の相互連関を理解し、それぞれがどのように影響し合っているかを把握することが重要です。

データ分析による戦略的基盤の構築

効果的なデータ分析はデジタルマーケティング成功の根幹をなします。そのアプローチは次のようになります。

  1. 定量データ分析: サイトのアクセスログ解析、コンバージョン分析、顧客行動の詳細な分析を行います。
  2. 定性データ統合: SNSでの意見や顧客満足度(NPSスコア)、顧客が離れる理由など、数字では表れない重要なデータを統合します。
  3. 市場環境の分析: 自社のサービスが市場でどのような位置づけにあるか、競合との比較、市場のトレンドを理解します。

これらのデータ分析から得られるインサイトを基に、市場でのポジショニングや顧客ニーズに合わせた戦略を立てることが可能になります。

USPの確立:競合との差別化を達成

データ分析から得られる洞察を活用し、市場での競合と差をつけるユニークセリングプロポジション(USP)を確立することが、マーケティング戦略成功の重要な要素です。USPは、顧客に対して自社の製品やサービスがなぜ特別なのか、どのように価値を提供するのかを明確に伝えるために不可欠です。

USP構築のステップ

市場機会の評価:

データ分析を通じて、市場内で未だ満足されていないニーズや新たな顧客層を特定します。
競合と異なるニッチ市場や新しい顧客セグメントに焦点を当てる機会を探ります。

差別化要素の特定:

顧客にとっての価値をはっきりと示す要素を定義します。これは技術革新、顧客サービスの質、使用体験の独自性など、さまざまな形をとることができます。
ターゲット市場における自社の強みと競合との比較を明確にします。

メッセージの展開:

定義したUSPを効果的に伝達するためのメッセージング戦略を策定します。
各販売チャネルやコミュニケーションツールに合わせて、言葉遣いやプロモーションの方法を調整します。

支援事例のご紹介:データ分析から見える重要なインサイト

KPIツリーの活用

次のようなKPIツリーを構築し、戦略的な効果測定に活用しました。

最終目標: 月間売上高の増加

中間指標:

  • 新規顧客売上高(顧客数 × 初回購入単価)
  • 既存顧客売上高(継続顧客数 × リピート購入履歴 × 購入頻度)


実行指標:

  • 新規顧客獲得数
  • 広告クリック率
  • LP(ランディングページ)の転換率
  • 初回購入率
  • 既存顧客育成のためのメルマガ購読率

KPIに基づいたデータの分析

実際のECサイトにおいて、データ分析を通じて以下の通り、重要な発見が得られました。

  • メルマガ購読率の向上: 初回購入後のメルマガ登読率が高いことがわかりました。これは、リピート顧客の獲得戦略における重要な指標となります。
  • ロイヤルユーザー化の促進: 翌月に再度購入されたユーザーに関しては、ロイヤルユーザー化する可能性が高いことが確認されました。これは持続的なエンゲージメント施策に反映すべき要素です。
  • 季節毎の購入パターンの把握: 特定の季節やイベントに関連した購買パターンを認識することができました。

仮説ベースのPDCAサイクルの実行

仮説を立て、PDCAサイクルを効果的に実施しました。

仮説
初回購入者に対して、購入商品に関連する用途や季節に合わせたメルマガを配信することで、翌月の再購入率が向上する

PLAN(計画)
  • 初回購入者向けのメルマガの設計
  • 購入商品のカテゴリーに応じたステップの作成
  • 関連する季節イベントや行事による特集ページの作成
  • 効果測定のための指標を設定
DO(実行)
  • 購入商品に関連した促進メールを配信
  • 初回購入者専用の特典プログラムを実施
  • 関連商品の推薦を強化するための施策
CHECK(評価)
  • メルマガの購読率の変化
  • 初回購入から2回目購入までの期間分析
  • 翌月における再購入率の測定とロイヤルユーザー化率の変化を評価
ACTION(改善)
  • メルマガコンテンツを最適化し、より効果的にし、次のキャンペーンに反映させる
  • ターゲット顧客別の配信タイミングを調整し、特典プログラムの改善を行う
成果

このPDCAサイクルを回運用することで、次の成果が得られ、計画的なマーケティング活動が実現できました。

  • 翌月の再購入率が●%向上
  • ロイヤルユーザーへの移行率が●%増加
成功への道筋:実践のポイント

デジタルマーケティングを持続的に成功させるために、次の点を特に重視することをお勧めします

  1. MECEなKPIツリーの設計と運用:
    KPIを階層的に整頓し、目標の可測性を確保します。
    定期的にモニタリング体制を見直し、進捗を確認し続けます。
  2. 徹底的な洞察:
    定量・定性データを総合的に分析し、顧客の深層ニーズを把握します。
  3. USPの明確化と進化:
    市場の変化に敏感であることが強いブランドを生み出します。
  4. 仮説検証の習慣化:
    迅速な仮説立案とその実行で、柔軟な戦略を維持します。

まとめ:持続的な成功のために

デジタルマーケティングの成功は、MECEなKPIツリーの設計、データ分析に基づく戦略、そして仮説に基づいたPDCAサイクルによる実行の三つの要素にかかっています。これらのプロセスを一過性の戦術にとどめているうちは、大きな成果は期待できません。持続的な成功のためには、経営層からの意思決定を強化し、必要なリソースの確保に努める必要があります。

本記事で紹介したアプローチが、貴社のデジタルマーケティング戦略の見直しや改善に役立つことを願っています。
KPI設計やデータ分析に関する具体的な課題についてのお手伝いが必要であれば、お気軽に弊社までご連絡ください。8500万人のアクティブユーザーを持つ大規模サイト運営で培った知識や経験を基に、貴社の成功に向けて共に歩んでいくことができればと願っています。

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この記事を書いた人

+Nextデザイン室 デジタルマーケティング担当

月間8500万人を超える大規模サイトでのデジタルマーケティングを担当した後、2023年に+Nextデザイン室に参加しました。「データを正しく集計・分析し、迅速に施策を立案・実行し、効果検証を行う」ことに特化した強みを持ち、デジタルマーケティング業務全般においてコンサルティングを実施しています。

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