デザインエンジニアリングによる市場投入の高速化|生成AIを活用した新規サービスのPMF検証
お客様課題
背景
生成AIの技術を活用した新たな法人向けサービスの企画・開発を推進しているお客様企業において、流通・小売業界のユーザ企業からマーケティング業務のスキルの標準化や高度化に関するニーズが複数寄せられていました。これを受け、生成AIを活用したマーケティング支援サービスを企画しプロトタイプを制作、ユーザ企業に利用していただきながらサービスの有用性を検証したところ、ポジティブな反応が得られました。事業化に向けてサービスアイデアの事業性を迅速かつ段階的に検証するため、必要最小限のプロダクト(MVP)を開発し、仮説の構築と検証を繰り返すアジャイル体制の構築が必要となりました。
課題
事業性の検証に必要なMVPを定義・開発し、早期にユーザ企業へ提供し得られたフィードバックをアジャイル開発で取り込みながら提供価値を最大化し事業性を確立すること、本サービスのキーテクノロジである生成AIを活用して、高精度なマーケティング支援サービスを構築することが課題でした。

ご支援の内容
① デザインエンジニアリング
ユーザ企業の業務課題やそれを解決するソリューションアイデアをその文脈も含めて理解するサービスデザインのスキルと、抽象度の高いソリューションアイデアを受けてシステム要件を具体化するエンジニアリングのスキルを併せ持つ当社のデザインエンジニアが、前工程で利用したサービスコンセプトやプロトタイプ、およびプロトタイプに対するユーザのフィードバックを理解し、本プロジェクトの目的・目標達成に必要な最小限のシステム要件を検討し、MVPの要件定義を主導・確定しました。並行して当社のUI/UXデザイナーがMVPの要件をもとに主体的にUI/UXデザインを制作しました。
② アジャイル開発
要件定義・デザインしたMVPシステムについて、生成AIの活用を前提としたアーキテクチャを設計したうえで早期にシステム構築を行い、ユーザ企業にご利用いただける形でローンチしました。さらに、システムをご利用いただいたマーケターから得られたフィードバックをスクラム開発で高速に反映・提供し、ユーザ企業への提供価値を段階的に高めながら事業性の検証を支援しました。

プロジェクト成果
お客様が提示した大まかなサービスコンセプトをもとに、当社が主体となってUI/UX設計および要件定義を主導したことで、要件検討にかかるお客様の負担とコストを低減することができました。MVPはプロジェクト開始から4か月で初回リリースを完了し、ユーザ企業からの反応を取得するための運用基盤を迅速に整備しました。運用開始後は2週間に1回のリリースサイクルを確立し、継続的な機能改善を実施しました。その結果、MVP投入から6か月でユーザ企業からのフィードバックに基づき、事業継続の可否判断が可能となりました。

プロジェクトを終えての所感
変化の激しい現代において新規サービスを開発するには、小さく早く実装して検証し、得られたフィードバックをもとに迅速に改善を繰り返すことが不可欠であると改めて認識しました。
また、生成AIおよびRAGの仕組みを活用したシステムの開発と運用にあたり、本プロジェクトを通じてデータ前処理の重要性を実践的に理解しました。具体的には、AIへの入力サイズ制限に応じた文書のチャンク分割の最適化や、画像に埋め込まれた図表などの非構造化データを構造化する手法など、細かなナレッジを獲得できました。